はじめに
どうも、QM ファンネルを考えていた Sig-SQA の一人です。
ごまずんさんから以下のお手紙が届きました。
ちなみに、このお手紙に題名に「批判」と書いてあったので、心の準備をして読み始めていたのですが、
え?批判どこ? 何を(どこを)批判しているんだろう?
という心がバグりました(笑
ごまずんさんの疑問がヒシヒシと伝わるお手紙ではなかろうかっと勝手に想像していました。
ご本人も『「QMファンネルがよくわからない」と言いたい記事』と記載されているので批判というとり私としては啓示と捉えました。
私なりの解釈で、QMファンネルのいきさつと品質文化について書いていきます。
まずは免責じゃないですが、これは『私の解釈』です。
QM ファンネルよくわからん問題
この記事を見ていただいて以下のようなコメントもいただいています。
『QMファンネルは何か目標とか意識して作ったものではない。今後どうしたいかの方向性もばらばらで個人任せ。』
確かに言いましたし、私も、この発言にはおおむね同意しています。(作った一人なので)
じゃ、いったいなんだったんだ?なんのために作ったんだろうか??
という事ですよね。。。
まずは結論から言いますが、QMファンネルは以下の目的であがってきたものです
『「よい品質」をうみだすために必要な役割とは何か?を整理をしたかった』
ということになります。
「品質文化」っていうけど「文化」って何?
最初に「よい品質」って、どうすれば確保できるのでしょうか?
「品質文化」が必要って言ってますよね?
「文化」って何よ??ってなりますよね。
私はなりました。
そこで、私が消化した一例をあげます
日本では、家にあがるのに靴ぬぎますよね?(脱がない家もあるかもしれません)
ご飯食べるのに箸使いますよね? (俺はフォーク・ナイフ派だという人もいるかもしれません)
ご飯食べる時にお茶碗持ちますし、口閉じて食べますよね?(くちゃくちゃしませんよね?)
米粒一つ残さず食いますよね?
ここでは、数の暴力で話しますが、大多数の日本人は、(よくわからないけど)家にあがるときに靴脱ぐし、ご飯食べる時に箸使います。
これ、なんでやってるんですか?
強い意志・意識をもってやっていますか?
毎回理由を考えながら意図的にやってますか?
やってないですよね?
でも、やらないと違和感を感じますよね?
はっきり言って、意識してないですよね? (私はほとんどしてません)
もともとは以下のような、なにかしら理由があったはずですが、それは生活をしていくうえで薄れていきます。
高温多湿な気候で、清潔に保たなければいけない。
(かなり昔は)農作物が充分に取れず、いつ飢餓になるかもしれないので全部摂取する
ですが、かならず守られている (実施されている) ものですよね
これが、私が考える「文化」になったです。
「文化」に昇華するために
「文化」とはいいますが、そう簡単に「文化」になりません。
靴を脱ぐとか、絶対的なものは文化になっていますが、ハウスカルチャーはなかなか築けません。
最初はルールとして縛られるものが多いと思います。
『家帰ってきたら、ゲームする前にかばんを置いた瞬間に一旦あけて机に全部置け! (そして弁当箱、プリントを出せ!)』
という文化(ルール)が我が家があります。
もちろん、理由があって、このルールが執行されましたが、いまでは、空気を吸うように実施されています。。。。が、なにも考えずに実施するまで5年以上はかかりました(笑
文化にするためには、そんなもんです。(簡単・すぐに出来るものではありません。忍耐強く対応するのです)
「よい品質」にするのは誰がするの?
私は、「品質」は業務(生活)全体で、さらに関係する全員が実施する必要があると考えています。
逆に言うと、特定の人、特定のプロセスとかではないということです。
家族、チーム、組織全員で対応しないといけないと考えています。
それぞれの担当、全員がやらないとよい品質にならないと考えています。
さらに、「よい品質」に向けて、業務(生活) の一環(プロセス)として組み込んで誰でも実施できる(誰もが実施する)ようにしていく必要があります。
「よい品質」に向けてやっていること & QM ファンネルの生い立ち
プロダクト・サービスの開発も、「よい品質」にするために、なにかしら現場で実践・実施していることがあるかと思います。
それじゃ、「よい品質」とするためにどのようなことやっていましたか?
ということですが、それは SigSQA で、様々な人からいろいろな手段があがってきました。
意識してやっていること、意識してやっていないこと (言われていればやってるなーというもの)をみなさんで出しあっていました。
インプロセスQA 「開発組織に常駐しながらQAの実業務と品質文化を担う」というのがありますが。。。
私の、一番簡単な例を挙げます。 (これだけじゃなないですが)
ゴミをひろう・捨てる
ドキュメント・書籍・書類を整理する
※) 物理的も、開発設計(デジタル的)にもどちらもです
余談ですが、「そんなもん、当たり前のことやんけ」というでしょう。
「当たり前のことを平然とやる(できる)」これができれば、もう文化でしょうが、できないのです。
なんでデッドコードが残ってるねんとか、実装されなかった仕様があたかも、実装されているように記載されて残っている?
とかとか。
物理的にいうと、読んだ本がバラバラでどこ行った? LANケーブルどこいった?マウスがなくなったとかとか
※) そんな無駄な時間をとらせずに開発に集中して品質向上をねらうのも、インプロセスQAの役割だと思っています。
まぁ、そんな感じで1つ1つ覚えていないのですが、それぞれあげていったなか、集約・抽象化していくと QM ファンネルの役割になってきました。
その中で、にしさんの能力が存分に発揮されたもので整理されていきました。
最初は QA 部分だけの QA ファンネルということでしたが、役割はそれだけじゃないということで TE、PE、QA と分かれていきました。
※) これが完成形ではないということはご了承ください。
結論
こんなんで結論になっているかどうか。。。
「QMファンネルは何か目標とか意識して作ったものではない。今後どうしたいかの方向性もばらばらで個人任せ」
なので、上記の通りなのです。
よい品質にするために、文化として取り入れていこうとしている施策を整理して分類をしていくと、このような役割に整理していったのです
「目標」と言われると、『「よい品質」をうみだすための役割は何か?を整理をしたかった』
となるのではと思っています。
具体的な手段は表現していません。
実施する内容・手段は、各組織・業態・業種で考えてください。
この QM ファンネルは役割別に整理・分類をしてきたものです。
何も考えずにフレームを持ってきて、現場で記載している内容だけを読み上げても『全く意味がありません』し、クソ役にも立ちません。
自分たちのチーム・組織で効果的・効率的に「よい品質」となる役割が何なのかを分析しながら使ってほしいです。
プロダクトの成長度合いなど、場合によっては、不要な役割もあると思います。
このようなことも考慮しながら使ってもらえれば幸いです。
用法・容量は適切に。
このQM ファンネルは、宇宙の真理ではありません。
わからないこと、不足分はたくさんあるかと思いますのでたたくと言うか、もやり具合を共有してください。
私より、もっと説明が上手な人が、優しく丁寧に説明してくださると思います。
「QMファンネル」に思うこと
※) 個人的には、3つの役割で4面体じゃなく、もう一面(開発担当者)があってもいいとは思っていますが、それはそれ。
そして、絶対的なカルチャーもあれば、ハウスカルチャー(ルール) もあります。
それにあてはまる手段・手法などは、それぞれの家庭、会社で違うはずです。
そんな文化あるのかー (ヤックデカルチャー! って言うのもあるかもしれませんが、様々な現場でやっていることを QM ファンネルと関連して聞いてみたいとは思っています。
ちなみに家庭的に家庭品質のフェーズゲートは妻担当ですw
追記
QM ファンネルを使って、私が開発チームの一員だったころ、実践したことを整理をして役割に当てはめてどのようなことをやってプロセスに組み込み文化 (ルール)にしていったのかを2022年に JaSST 東京で紹介しましたので興味があれば、こちらもご参照ください。
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